CHICAGO, IL - DECEMBER 29: Domantas Sabonis #11 of the Indiana Pacers looks to pass under pressure from Denzel Valentine #45 of the Chicago Bulls at the United Center on December 29, 2017 in Chicago, Illinois. The Bulls defeated the Pacers 119-107. NOTE TO USER: User expressly acknowledges and agrees that, by downloading and or using this photograph, User is consenting to the terms and conditions of the Getty Images License Agreement. (Photo by Jonathan Daniel/Getty Images)

「バスケットボールのほとんどのプレーは、二人のやり取りで行われる」

 

こんな言葉を聞いたことがあります。

5対5としてやっているバスケットボールも、小さく見ていけば1対1の掛け合わせであり、その次に2対2の掛け合わせ。チームプレーというものも1対1から始まり、2対2に発展していく。5人の連動も2人の連動が掛け合わされて結果として生まれるもので、速攻などでも「4対3」の状態があったら「2対1」を見つけていくことがポイントになります。そんな形で、複雑に見える5人の動きも2対2を中心に見ていけばわかりやすくなる、判断しやすくなるということがあります。

 

今回紹介するのは、2対2の基本。

「DHO(Dribble Hand Off)というプレーです。ドリブルをしながら手渡しパスをして、そのままスクリーンプレーを起こしていくプレー。これはシンプルな2対2なのですが、とても有効なプレーです。「ボールマンがスクリナーになる」という珍しいケースで、ピック&ロールと比較すると、スクリーンのユーザーのドリブル力が高くなくてもフリーを作れるし、スクリナーになるドリブルをしている選手はいつでも攻めることもできます。スクリナーのディフェンスはショーディフェンスがしにくいし、ユーザーのディフェンスはユーザーが自由自在に動けるためマークするのが難しくなります。

 

DHOの最大のメリットと言えるのがこのプレー。

ドリブルをしているスクリナーになる選手は、いつでもドライブができる。「ハンドオフでパスを出す」というフェイクを使えば、簡単に相手を抜けます。本当に力が必要ないし、むしろ「抜いてやる!」っていう意思を出すと読まれることがあるので、「ハンドオフをする」という気持ちでゆっくり速くしようとせず、そのままゆっくりドリブルをした方が抜けたりします。これは本当に面白いプレー。(この場面では「抜く!」っていう瞬間にスピードを出しています。瞬発力や脚力が高ければこの抜き方でもありですね。瞬発力とかで劣っている場合は「相手に読まれないようにする」っていう意味でも、抜こうとせず、ゆっくり動いた方が抜けます。)

 

この動きがあれば、ユーザーはスクリーンプレーを効果的に使えます。特にドリブルスキルが高くなくてもボールをもらう前に表と裏の駆け引きをしたら、簡単にディフェンスをズラすことができるので、2対2の基本として、ピック&ロールと並行して、DHOを是非やってみてください。NBAではあらゆるチームがやっていますが、特にヨキッチを見るのがお勧めです。ダンカンとかもよくやっていたし、まぁ本当にどのチームでも一人くらいは「DHO専門」のようなセンタープレイヤーがいます。スクリーンプレーは最高のチームプレー。

投稿者 原田毅

33歳。大学一年生の冬にNBA選手のスペーシングの凄さに気づいてから、NBAから戦術やバスケの本質を学ぶようになりました。その後、NBAの凄さを学ぶ中で「日本」について知らない自分がいることに気づき、武術の世界を学ぶようになり、今は武術をバスケに応用する考え方を学んでいます。現在もプレイヤーとしてプレーを続けながら、ネット上では通信講座などを運営しています。

“ピック&ロールよりも簡単にズレを作れる2対2の基礎「DHO」” に1件のフィードバックがあります

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です